政治に無関心な人たちが少なからずいた

こうした中で今目立つのは、「こんな理不尽なことを許してたまるか」と、無党派層から政治に目覚める有権者が著しく増えてきたことだ。これまでの無党派層は、確かに政治に無関心な人たちが少なからずいた。

しかし、四パーセント台の高失業率が続く中で、生活が激変した無党派層が、やり場のない怒りを国民不在の政治に向け出したのだ。無党派層を、新たな投票行動を起こす有権者潜在的な予備軍ととらえるならば、彼らのエネルギーとパワーの爆発は、日本の政治地図を大きく塗り替える原動力となる可能性を持っている。

時事通信社がまとめた世論調査結果(二〇〇〇年三月二十日)によると、無党派層は調査対象の全体の五六・六パーセントを占め、その政党好感度は自民党が一九・五パーセントと二ヵ月連続で減少した。野党各党が無党派層を大量に取り込む政策を打ち出せば、予想外の得票ができる可能性が強い。

日本政治の流れが変わる兆候は、すでに表れている。多くの選挙予測調査が、次期総選挙での自民党の敗北を予測している。潮の流れは変わったと見て、間違いあるまい。

もちろん選挙は水物だが、あえて予測すれば、次期総選挙の結果、衆院議席を単独で過半数を占める政党は出てきそうもない。政党の離合集散も含め、政界再編が活発化する可能性がある。いずれにしても、選挙後に登場する新政権は、連立の組み替えが行われる公算が大きい。

政治を国民の手に取り戻すため、ここで次の諸点の実現を提案しておきたい。

 一、現行憲法を堅持し、平和と民主主義を守り抜く。
 二、政治腐敗の根を絶つため、企業・団体の政治献金を早急に全面禁止する。
 三、既存政党・既存議員の利害を超えた国民の意思によって、衆・参両院の選挙制度を、多
  数決原理と少数意見尊重とを両立させる合理的なものに抜本改革する。
 四、厚生年金など社会保障制度を、少子化・高齢化が進んだ二十一世紀半ば以降においても、
  高齢退職者の所得と健康が守られるよう、強化・合理化していく。
 五、反民主的な教育改革はやめて、民主教育を徹底する。
 六、組織防衛や犯罪でっち上げのため、証拠の担造や改宣をあえてする警察から、われわれの基本的人権と生活の安全を守るため、盗聴を目的とする通信傍受法を廃止する。