経団連の変貌

経済同友会には、財界の首脳が千二百人ほど個人として参加し、政策集団の看板を掲げている。この数年は、年末恒例の予算編成を前にした自民党政調会による陳情の受付に出席しなくなっている。それまでは、いわゆる経済四団体(経済団体連合会=経団連、日本…

外国からの技術導入

国内の研究開発の進展もさることながら、韓国の技術進歩はその大半が、やはり外国からの導入に大きく依存しているのが実情であろう。1981−87年の間に2,598件導入し、それは過去25年間(4335件)の60%を占める。ロイヤリティ支払いもそれにつれて膨らみ、同…

読売調査会の提言

冷戦後における国連憲章の再度の変化に対応した平行現象と位置づけられる。つまり、安保理の機能が麻蝉していた冷戦時代には、二国平和主義」でも済まされたが、国連が活性化し、陣営を越えるすべての国に参加を求められている以上、日本だけが第九条を楯に…

ユーロ・ダラー取引のしくみ

では簡単にユーロ・ダラー取引の基本的なしくみを解説してみよう。この取引は外為市場と同様、市場の表面に出てくるのは銀行のみであるが、背後に資金の出し手、取り手として企業・個人・国家などが存在するが、ここでは銀行間取引をロンドンを中心に説明す…

日本におけるホームビデオ開発の過程

トランジスタラジオや50CCのオートバイから始まったハイテク大衆耐久消費財の開発路線は、このような日本的経営のなかで、この時期にいよいよ絢爛たる花を咲かせた。その主なものを並べると、次のようなリストになる。 1974年:デジタル液晶時計(カシオ) 1…

刺激の強さの閥値

他の心理学者は次のような実験を考案した。その実験では予めどのような刺激が呈示されるか被験者は知っており、見えないものを無理に何かに見させようとするような不自然なことをやめたのである。つかわれた刺激は、波型、三角、四角の三種類で、そのうちの…

中国が抱える三つの課題

アメリカでは「中国脅威論」が花盛りだ。「いつ中国に抜かされるか?」というよりも「もうすでに中国の天下だ」といった悲観的な論調が支配的である。2011年春の「世界の見方についての調査」(ピュー・リサーチ)で、世界中の数千人に「世界一の経済大国は…

国際機関創設のための連合国会議

拒否権についても四国の同意を得たが、その具体的な範囲については、四五年二月のヤルタ会談に決着が持ち越されることになった。米、英、旧ソ連首脳によるこのヤルタ会談では、拒否権は手続き問題には適用しないことなどが決められ、四月二十五日から六月二…

日本産業の空洞化

平成不況の中で一層の円高が進み、為替レートで評価すれば日本の国内生産コストがアメリカのような高コスト国をはるかに上廻るような事態になると、もはや最も効率的な日本の企業でもそのままの状態で国際競争力を維持することは難しくなる。実際一九九四年…

都市工業の一端を担う

彼女たちは、朝起きると中央教会でのミサを聞き、そのあとそれぞれの小屋に戻って沈黙のうちに仕事にはげむ。仕事をしつつも、祈りをたえずくり返し唱えている。小屋のなかでは、代表して二人の女性が詩編を交互に朗誦して、他の者たちは心のなかでそれをく…

「菅首相、正式に退陣表明」から首相の価値が分かる

どうやら、本当に降りられるようです。さまざまいろんな問題が残っておりますが、まずは「お疲れ様です」と言うことにしましょう。一時期は驚異的な粘り腰で小沢一郎さんを手玉に取ったり鳩山さんがピエロにさせられたりと、いろんなエピソードが残りました…

アジア域内貿易の増加

すでに激しい経済摩擦が起きているアメリカからではなく、アジアから貿易黒字を稼ぐ比重が高まったということは、それだけをみればたしかに日米間の貿易不均衡問題の激化が避けられたことになる。しかし、このまま対アジア出超額の比重が増加していくことに…

図書館が収集・蓄積する情報の有効利用

リアル書店の店員さんならやらないような失敗です。電子メールで大量に送る商品情報ですから、コストは問題にならないのでしょうが、それですっかり、わたしはAmazonからの宣伝メールを読まなくなりました。さて、ここまでの話をふまえて、無料ビジネ…

大きかった世論の振幅

日本における経済変動とそれに対する世論の動きには、次のような共通した傾向を見ることができるのではないだろうか。まず、大きな好況の過程では、それによってもたらされる生活パターンの変化がジャーナリズムで大きく取り上げられ、デモンストレーション…

政治に無関心な人たちが少なからずいた

こうした中で今目立つのは、「こんな理不尽なことを許してたまるか」と、無党派層から政治に目覚める有権者が著しく増えてきたことだ。これまでの無党派層は、確かに政治に無関心な人たちが少なからずいた。しかし、四パーセント台の高失業率が続く中で、生…

総合採算型の無料ビジネス

それでもおカネを借りてしまった人は、借金苦にあえぐようになり、やがて生活を破綻させる人が増えました。これが社会問題化して、消費者金融への規制が強まったのでした。他方で、おカネを借りて消費を増やすことをあきらめる人たちも増え、ローン型の個人…

華僑につきまとう中国の影

『東南アジアにおける中国の影響力』松本三郎、川本邦衛編著、東南アジアにおける華僑の淵源は、十九世紀欧米列強による植民地経営が生んだ膨大な労働力需要に応じて、この地に移り住んだ華南沿海部の貧農である。混乱と貧困の清末中国は貧農の流出をおしと…

為替レートによる対外不均衡

国際流動性の調節難に加えて、対外不均衡の調整メカニズムもうまく作用しなくなったことから、国際通貨システムの機能不全現象は誰の目にも明らかとなってきた。これまでであれば、良きにつけ悪しきにつけ、米国の金融政策の変更が他国にも波及し、主要国で…

大気安定化国際基金

たとえば、化石燃料を燃焼して、大気中に二酸化炭素を排出するとき、含有炭素一トン当たり一〇〇ドルの炭素税をかけるとします。化石燃料の燃焼が日本でおこなわれていても、アメリカでおこなわれていても、また、インドネシア、フィリピンでおこなわれてい…

規格大量生産の実行

これをピークとして下落に転じ、九〇年代末には一ドルー四〇円台になった。その後は一進一退だが、長期趨勢的には円安方向と見る者が多い。中国元との関係でも、九七年までは円高一方だったが、二〇〇〇年からは中国元の引き上げが話題になり出している。国…

「日本的経営」に抱く幻想

スマーナエ場の労働者の意見は直接きいていないので、彼らが現状についてどう考えているのかわからない。「ニーズウイーク」の記者が書くように、すでに「失楽園」であり、「日産ではたらくアメリカ人労働者は、最終的にどちらが自分たちの利益をより強力に…

米国が軍事力を行使する状況

米国の戦略目的のために、軍事戦略面で米国防総省は米軍部隊の恒久的な海外駐留、ローテーションでの海外展開、演習、合同訓練、ないしは軍隊間の交流目的での一時的派遣、共同防衛、安全保障支援、国際軍事教育訓練(IMEI計画、国際兵器協同計画などの…

外国企業の株式事務取り扱い

昭和五十七年の商法改正により、同年十月から株式の単位の引き上げが行われ、既存会社については、経過措置として「単位株制度」が設けられ、単位未満株式にさまざまな制限がっけられる一方、その処分方法として、会社に対する買取請求制度が設けられました…

農民の不満

重工業部門の拡大のために必要とされたのは、「賃金基金」ばかりではない。そもそも重工業を建設するための「蓄積基金」が、いずこにか求められねばならない。往時の中国のような「初期条件」の国においては、これもまた農業にたよるよりはかなかった。重工…

経営不安説の払拭をはかる

日債銀と政界との関係は、同行の破綻の時まで続いた。その象徴的な例が、97年2月5日、三塚博大蔵大臣(当時)が記者会見の席上、わざわざ日債銀の名前を上げて、信用不安解消のための「口先介入」を行なったことだった。「日債銀は経営改善に全力を挙げ、実…

偽の関係の発見

今かりにこの関係を示すための、もっとも単純な手段として、マッカーシーに対する賛成を示す横の行の、パーセンテージを比較してみる。すると政治的寛容度の高いグループは三五パーセント、寛容度の低いグループは六〇パーセントという数字がでる。政治的寛…

裁判の翌日に釈放

私は、そのリンチを受けて、身体が苦しいからではなく、情けなくて、ボロボロ泣いた。その後、外地に送られて、終戦後は、戦犯容疑者として、サイゴンで監獄に拘置され、戦犯裁判を受けた。判決は禁釧八ヶ月であった、戦犯裁判だから、八ヶ月が八年であって…

母国責任主義を完全に否定

改善後の第一次バーゼル協定の挫折は、国際金融の暗部を垣間見せる大事件が契機となった。ロンドンの金融街シティーのすぐ後方を流れるテムズ川に巨大なブラック・フライヤーズ橋が架かっている。ロンドン市警察の報告によれば、この橋脚で82年6月に、イタリ…

地球に生起する自然現象

その解決は容易なことではないが、我々が地球のことをよく知り、そして人間とはなんぞやについて深く認識する以外方策はない。その結果、地球と人間はいかにして共生できるかが見えてくるはずである。それを探ることが、地球学の目的である。地球学とでも称…

カースト制度は職業の分配

カーストはもともとは職業別に分かれた階級であって、差別が問題になってきたのはインドの長い歴史から見るとごく最近のことだ。歴史的にカースト制度は職業の分配と同時に責任分配にもなっていた。そのことを示す例として、マハーバーラタの中で、ドゥルヨ…