「菅首相、正式に退陣表明」から首相の価値が分かる

どうやら、本当に降りられるようです。さまざまいろんな問題が残っておりますが、まずは「お疲れ様です」と言うことにしましょう。

一時期は驚異的な粘り腰で小沢一郎さんを手玉に取ったり鳩山さんがピエロにさせられたりと、いろんなエピソードが残りましたけれども、日本国および日本国民としては、この引き伸ばされた菅政権から何らのメリットを得られず、要するにアレは何だったのかと頭を抱える状況になったのが残念です。

基本的に、私自身の主義主張としては「一度国民の信託を得たのであれば、なるだけ長期政権を担当して安定した政治状況を作り上げることが国民の利益に資する」という考え方であり、確かに菅さんは期待ほどの成果を出す状況や条件を揃えられなかったけれども「せっかく担いだんだから、震災対応や財源問題など政策的な成果が出るよう民主党その他周辺もちゃんと支えろよ」と思っていました。

国内政策ももちろんですが、外交の舞台では日本の影響力が大幅に低下している状態です。どうせ辞める首相と会談してもしょうがないと思う各国首脳が会談に応じないという状況に陥るのは、本当によろしくないよね、と。

総選挙でもやらない限り民主党が政権党に入るのは当然で、同じく参議院が反対したらまともに法案が通らない現状も変わりません。この変革の時代に、スピード感ある政治が実現できなかったら、そりゃ国民の生活は楽にならず、経済成長もしません。でも、同様に民主主義である以上、そういう制度であり、国民もまたそういう選択をしたのだから、意見はいろいろあるだろうけどうまくいくよう状況下で努力するしかないんですよね。

もはや、政局に関心が移ってしまっているのですが、首相になるための数合わせは構造上しかたないとしても、小沢さんに前原さん支援をしない方向で一致したとか、首相ってポジションは本当に軽いんだなあ、と。党内の有力者を束ねて、挙党一致で政権運営に携わっていこうという気配がないですから。

「日本の政治はずっとそうだった」と諦めるのは簡単ですけど、もうちょっとやり様はないのだろうかと考えてしまうところでございますね、はい。